2025年7月12日に小山登美夫ギャラリー六本木に訪問しました。
菅木志雄展では、「もの」と空間の関係性に対する深い洞察と、それを可視化する静謐な力に圧倒されました。素材の存在性や配置の意味を通じて、作品は言語を超えて思考を誘発し、見る者の感覚を静かに揺さぶります。特に木という素材に集約された近年の作品群は、表現のシンプルさと哲学的深みが共存し、菅の感性の研ぎ澄まされた現在地を示しているように感じました。10年にわたる継続的な展示の集大成として、今展はその変化と継続、そして「もの派」以降の進化を実感できる、非常に濃密な時間となりました。
